【読了】乱読のセレンディピティー【とりあえずなんでも読んでみたら?あと散歩しろ】
意味がわからなくてもとりあえずいろんな本を読んでみて、そこから知識と知識のつながり的な、セレンディピティ的な発見をするのですよフフフという内容の本。
一言で⇒【とりあえずなんでも読んでみたら有機化合的に何か生まれるんじゃないですか?あと散歩しろ】
あっという間に読み終わるんだけど、内容として結構いろんなことが書いてあって面白かった。
舞台上の世界を第1人称から第三人称のコンテクストとすれば、客席はその局外の第四人称であることになる。さらに、その外に時間の加わる第5人称も存在すると考える。
古典を作り上げるのは、作者自らではなく第五人称である。第五人称は第四人称とちがって同時存在的ではない。この第五人称を認めないと、古典の生まれる事情を理解することができない。
あー、それはそうですよね。とか。
記憶はいつまでももとのままであるのではなく、忘却によって、少しずつ変化する。しかも。よりよく変化する。
イギリスの詩人ワーズワースは、詩は回想によって生まれる情緒である。という言葉を残しているが、生の情緒では詩にならない。時がたって、忘却によって加工、修正された記憶の情緒が詩になる、というのである。
とか。
人間の頭は知識を記憶するためにのみあるのではなく、新しいことを考え出すのが大切な働きである。
など。思考の整理学って本もかなり面白かったけど、この人の本は結構理屈っぽくて面白いなぁと思う次第。
あと、散歩良い。散歩最高。散歩礼賛。そんな感じ。